エクセルでデータ管理する方法|基本ルールから自動化まで完全解説
「エクセルでデータ管理を任されたけど、正しいやり方がわからない」
「自己流で作った管理表がうまく機能せず、検索しても必要なデータが見つからない」
「入力ミスや表記ゆれが多くて、集計結果が信用できない」
——このような悩みを抱えていませんか?
データ管理を任されたものの、何から手をつけていいか分からない…という方は本当に多いんです。
エクセルのデータ管理は、基本的な設計ルールを知らないまま始めてしまうと、後になって「使いにくい」「他の人が操作できない」「データ量が増えて動作が重い」といった深刻な問題に発展します。
特に複数人でファイルを共有する場合、属人化した管理表はチーム全体の業務効率を低下させる原因となります。
本記事では、データ管理の基本原則である「1行1データ・1列1項目」の考え方から、テーブル機能やプルダウンリストの設定方法、フィルター・ピボットテーブルを使った大量データの効率的な抽出・集計方法、さらにはマクロによる自動化テクニックまで、5つのステップで体系的に解説します。
エクセル管理の限界を示すサインと、次のステップとなるツールの選び方についても詳しく紹介しています。
基本から応用まで網羅しているので、初心者の方もベテランの方も参考にしていただけます!
目次
エクセルでデータ管理する基本条件と設計ルール
エクセルでデータ管理を行う際、多くの方が「自己流」で始めてしまい、後になって「うまくいかない」「他の人が使えない」といった問題に直面します。
実際、データ管理において「管理できている状態」とはどのような状態を指すのか、明確に理解している方は意外と少ないのが現状です。
「とりあえず表を作って入力すればいい」と思っていませんか?実はそれが失敗の始まりなんです。
データ管理とは、単にデータを入力して保存することではありません。
必要なときに必要なデータを素早く取り出せること、誰が見ても内容を理解できること、そして正確性が担保されていることが「管理できている状態」の条件です。
この状態を実現するためには、データ管理を始める前に設計ルールを理解し、最初から正しい構造でデータベースを構築することが不可欠です。
本章では、エクセルでデータ管理を行う上で絶対に押さえておくべき基本条件と設計ルールを解説します。
これらのルールを守ることで、検索や集計がスムーズになり、入力ミスや表記ゆれを未然に防ぐことができます。
また、自分以外のメンバーがファイルを使用する場合でも、迷わず操作できる使いやすいデータベースを構築できるようになります。
1行1データ・1列1項目の構造を守る
エクセルでデータ管理を行う際の最も基本的なルールが「1行1データ・1列1項目」の原則です。
このルールはデータベース設計の根幹をなすものであり、これを守らないと後々のデータ活用に大きな支障をきたします。
- 1行1データ:1つの行に1つのレコード(案件、顧客、商品など)のみを入力
- 1列1項目:1つの列には1種類の情報のみを入力
たとえば顧客管理表であれば、1行に1人の顧客情報のみを入力します。
複数の顧客を同じ行に入力したり、1人の顧客情報を複数行にまたがって入力したりすることは避けなければなりません。
「氏名」という列には氏名のみを、「電話番号」という列には電話番号のみを入力します。
「氏名・電話番号」のように複数の情報を1つのセルにまとめて入力することは、検索や集計の妨げになります。
なぜこのルールが大切なのか、具体例で見てみましょう。
このルールが重要な理由は、エクセルのフィルター機能や集計機能が「1行1データ・1列1項目」の構造を前提として設計されているためです。
この構造を守らないと、特定の条件に合うデータを抽出したいときに正しく絞り込めない、売上合計を計算したいときに正確な数値が出ないといった問題が発生します。
また、担当者が複数いる案件で「田中、佐藤」のように1つのセルに複数名を入力してしまうケースも問題です。
この場合、「田中さんが担当している案件数」を正確にカウントすることができなくなります。
📝 正しい設計のポイント
住所は「都道府県」「市区町村」「番地」のように列を分けます。
担当者が複数いる場合は「主担当」「副担当」のように列を分けるか、別途「案件担当者テーブル」を作成してリレーションを持たせます。
最初は手間に感じるかもしれませんが、この構造を守ることで後のデータ活用が格段に楽になります。
入力ルールを統一し表記ゆれを防ぐ
データ管理において表記ゆれは、検索漏れや集計ミスの原因となる深刻な問題です。
表記ゆれとは、同じ意味の内容が異なる表記で入力されてしまうことを指します。
| 表記ゆれの例 | 問題点 |
|---|---|
| 株式会社 / (株) | 検索でヒットしない |
| 東京都 / 東京 | フィルターで一部漏れる |
| 2024/1/15 / 2024年1月15日 | 日付の並び替えが正しくできない |
「株式会社ABC」で検索しても「(株)ABC」はヒットしません。これが表記ゆれの怖さです。
表記ゆれが発生すると、フィルター機能でデータを抽出する際に一部のデータが漏れてしまいます。
また、SUMIF関数やCOUNTIF関数で条件別に集計する際にも、表記が異なるデータは別々に集計されてしまい、正確な数値を把握できなくなります。
- 日付の表記形式:2024/01/15に統一
- 会社名の表記方法:株式会社を略さない、前株・後株の統一
- 金額の単位:円か千円かを統一
- ステータスの表記:「完了」「済」「Done」などを1つに統一
ルールを決めるだけでなく、入力者が迷わないようにルールを共有することも大切です。
管理表の別シートにルール一覧を記載したり、列のコメント機能で入力形式の例を示したりすると効果的です。
また、後述するプルダウンリストや入力規則を活用することで、そもそも表記ゆれが発生しない仕組みを構築することもできます。
誰でも検索・更新・出力できる状態にする
データ管理表は、作成者だけが使えればよいというものではありません。
チームで業務を行う場合、他のメンバーも同じファイルを使って検索、更新、出力ができる状態にしておく必要があります。
特定の人しか使えない「属人化」した管理表は、その人が不在のときに業務が停滞するリスクを抱えています。
「○○さんしかわからない」という状態、あなたの職場にもありませんか?
- わかりやすい見出し:「区分」ではなく「商品区分」、「日付」ではなく「受注日」
- ルールの明文化:使い方を記載したシートを用意
- 出力設定の保存:よく使うフィルター条件やピボットテーブルを保存
列の見出しには曖昧な略称を使わず、誰が見ても内容がわかる名称をつけます。
具体的な名称にすることで解釈の違いを防ぎます。
また、データの入力方法や更新のルールを明文化しておくことも重要です。
「新規データはどこに追加するのか」「データを削除してよいのか」「更新履歴を残す必要があるか」といった点について、管理表の使い方を記載したシートを用意しておくと、引き継ぎや共有がスムーズになります。
出力についても、よく使用するレポートやリストがある場合は、フィルター条件やピボットテーブルの設定を保存しておくと便利です。
毎回同じ設定を行う手間が省け、誰でも同じ形式でデータを出力できるようになります。
さらに、印刷範囲や印刷レイアウトを設定しておくことで、印刷時のトラブルも防ぐことができます。
ヘッダー行の固定とID列での管理
データ量が増えてくると、スクロールしたときにヘッダー行が見えなくなり、「この列は何のデータだったか」と混乱することがあります。
この問題を解決するのがヘッダー行の固定(ウィンドウ枠の固定)です。
1行目がヘッダーの場合は2行目を選択します。
これにより、どれだけ下にスクロールしても1行目のヘッダーは常に表示され続けます。
ヘッダー固定は地味ですが、作業効率が格段に上がりますよ!
また、各データを一意に識別するためのID列を設けることも、データ管理の基本原則です。
ID列とは、各レコードに重複しない固有の番号を割り振る列のことです。
たとえば顧客管理表であれば「顧客ID」、案件管理表であれば「案件ID」といった列を設けます。
| ID体系の例 | 用途 |
|---|---|
| 連番(1, 2, 3…) | シンプルな管理向け |
| C0001, C0002… | 分類を示すアルファベット付き |
| 202401-001 | 年月を含めた管理 |
ID列が重要な理由は、他のテーブルとの紐付けや、特定のデータを確実に特定するために必要だからです。
たとえば「田中太郎」という顧客が複数存在する場合、名前だけでは区別できませんが、顧客IDがあれば確実に特定できます。
また、注文管理表から顧客管理表の情報を参照する際にも、顧客IDをキーにして紐付けることで、データの整合性を保つことができます。
テーブル機能で範囲を自動拡張させる
エクセルでデータ管理を行う際、多くの方が通常のセル範囲にデータを入力していますが、「テーブル」機能を使うことで管理が格段に効率化します。
テーブルとは、エクセルが提供するデータベース機能の一つで、データ範囲を特別な形式で管理できる機能です。
テーブル機能の最大のメリットは、データを追加したときに範囲が自動で拡張されることです。
「関数の参照範囲を毎回修正するのが面倒…」という悩み、テーブル機能で解決できます!
通常のセル範囲の場合、新しいデータを追加するたびに、関数やグラフの参照範囲を手動で修正する必要があります。
しかしテーブルを使用していれば、新しい行を追加すると自動的にテーブル範囲が拡張され、関数やグラフにも反映されます。
テーブルにしたいデータ範囲内であればどこでもOKです。
ショートカットキーを使うとより素早く設定できます。
これでテーブルとして設定が完了します。
- 自動でフィルターボタンが設定される
- 1行おきに色分けされる縞模様(バンドの行)が適用される
- 構造化参照という特殊な数式の書き方が使える
構造化参照を使うと、「=SUM(テーブル1[売上])」のように列名で参照できるため、数式が理解しやすくなります。
テーブル機能を活用することで、データ追加時の手間を大幅に削減でき、関数の参照範囲ミスによるエラーも防ぐことができます。
【テンプレート付き】エクセルのデータ管理表の作り方5ステップ
本章では、エクセルを開いて今すぐ管理表を作成したい方に向けて、5つのステップで完成までの手順を解説します。
手順通りに進めれば、初心者の方でも実用的なデータ管理表を作成することができます。
案件管理表を例に説明しますが、顧客管理・在庫管理・タスク管理など、同じ考え方で他の用途にも応用できますよ!
データ管理表は、顧客管理、案件管理、在庫管理、タスク管理など、さまざまな業務で活用されます。
ここでは汎用的に使える「案件管理表」を例として作成手順を説明しますが、同じ考え方で他の用途の管理表も作成できます。
各ステップでは具体的な操作方法を詳しく説明していますので、エクセルを開きながら一緒に進めてみてください。
ステップ1|新規ブックに項目名を入力する
まずはエクセルを起動し、新規ブックを作成するところから始めます。
「ファイル」メニューから「新規」を選択し、「空白のブック」をクリックして新しいファイルを開きます。
最初に行うのは、1行目に項目名(ヘッダー)を入力することです。
項目名はデータ管理表の骨格となる重要な要素であり、どのような項目を設けるかによって管理表の使い勝手が大きく変わります。
- 案件ID
- 案件名
- 顧客名
- 担当者
- ステータス
- 受注日・納期
- 売上金額・備考
「日付」ではなく「受注日」「納期」のように、何の日付かがわかる名称にするのがポイントです!
項目名を入力する際のポイントは、誰が見ても内容がわかる具体的な名称にすることです。
「日付」という曖昧な表現ではなく「受注日」「納期」のように、何の日付かがわかる名称にします。
また、「金額」ではなく「売上金額」「仕入金額」のように、何の金額かを明確にすることで、後から見たときの混乱を防ぐことができます。
📝 項目の並び順の基本ルール
左から「識別情報(ID、名称など)」→「分類情報(区分、ステータスなど)」→「日付情報」→「数値情報」→「その他(備考など)」の順序で配置すると、データの流れが自然で理解しやすくなります。
項目の順番にも意味があります。
一般的には、左から「識別情報(ID、名称など)」「分類情報(区分、ステータスなど)」「日付情報」「数値情報」「その他(備考など)」という順序で配置すると、データの流れが自然で理解しやすくなります。
ただし、業務の特性に応じて、よく参照する項目を左側に配置するなどの工夫も有効です。
ステップ2|テーブルとして書式設定する
項目名の入力が完了したら、データ範囲をテーブルとして設定します。
テーブル機能を使うことで、データ追加時の範囲拡張が自動化され、フィルターやソート機能もすぐに使える状態になります。
テーブルの起点となるセルを選択します。
ショートカットキー「Ctrl + T」が最も簡単な方法です。
ダイアログボックスで設定を確認し、完了します。
「Ctrl + T」のショートカットを覚えておくと、テーブル設定がワンタッチでできて便利ですよ!
「テーブルの作成」ダイアログボックスが表示されたら、「テーブルに変換するデータ範囲」が正しく選択されていることを確認します。
この時点ではデータがまだ入力されていないため、項目名の行のみが選択されていれば問題ありません。
「先頭行をテーブルの見出しとして使用する」のチェックボックスにチェックが入っていることを確認し、「OK」をクリックします。
テーブルが設定されると、セル範囲に自動的に書式が適用され、各列のヘッダーにフィルターボタン(▼マーク)が表示されます。
また、「テーブルデザイン」タブが新たに表示され、テーブルのスタイルを変更したり、各種オプションを設定したりできるようになります。
テーブルのスタイルは、業務の雰囲気や好みに合わせて変更できます。
「テーブルデザイン」タブの「テーブルスタイル」から好みのデザインを選択してください。
ビジネス用途では、青やグレーを基調としたシンプルなデザインが好まれる傾向にあります。
ステップ3|プルダウンリストで入力を制限する
テーブルの設定が完了したら、入力ミスを防ぐためにプルダウンリストを設定します。
プルダウンリストとは、あらかじめ用意した選択肢の中から入力内容を選ぶ機能で、表記ゆれの防止や入力の効率化に効果的です。
案件管理表では「ステータス」列や「担当者」列など、入力される値が限られている項目に設定するのがおすすめです!
案件管理表の場合、「ステータス」列や「担当者」列など、入力される値が限られている項目にプルダウンリストを設定します。
ここでは「ステータス」列を例に設定手順を説明します。
テーブルの場合、列全体に設定が適用されるため、データが入力されていない状態でも設定可能です。
ダイアログボックスが表示されます。
リスト形式の入力規則を設定します。
例:「未着手,進行中,確認待ち,完了,保留」
- 未着手
- 進行中
- 確認待ち
- 完了
- 保留
設定後、該当の列のセルを選択すると、セルの右側にドロップダウンボタン(▼)が表示されます。
このボタンをクリックすると選択肢が表示され、クリックするだけで入力できるようになります。
キーボードから直接入力することも可能ですが、選択肢にない値を入力しようとするとエラーメッセージが表示され、入力が制限されます。
担当者が頻繁に増減する場合は、別シートにマスタを作成してそこを参照する方法がより効率的です。この方法については後の章で詳しく解説しますね。
担当者列についても同様の手順でプルダウンリストを設定できます。
ただし、担当者が頻繁に増減する場合は、別シートにマスタを作成し、そこを参照する方法がより効率的です。
この方法については後の章で詳しく解説します。
ステップ4|条件付き書式でステータスを色分けする
プルダウンリストの設定が完了したら、データの状態を視覚的に把握できるように条件付き書式を設定します。
条件付き書式とは、セルの値に応じて自動的に背景色やフォント色を変更する機能です。
たとえば「未着手」は赤、「進行中」は黄色、「完了」は緑といった色分けをすることで、対応が必要な案件をすぐに識別できますよ!
案件管理表では、ステータスに応じてセルの色を変えることで、進捗状況が一目でわかるようになります。
たとえば「未着手」は赤、「進行中」は黄色、「完了」は緑といった色分けをすることで、対応が必要な案件をすぐに識別できます。
見出し行を除いたデータ部分を選択してください。
「新しい書式ルール」ダイアログボックスが表示されます。
ルールの種類を選択します。
条件となるステータス名を入力します。
他のステータス値についても同様の手順で設定していきます。
| ステータス | おすすめの色 | 意味 |
|---|---|---|
| 未着手 | 赤系 | 注意を促す・対応が必要 |
| 進行中 | 黄色・オレンジ | 作業中・進捗あり |
| 確認待ち | 薄い青 | 他者の対応待ち |
| 完了 | 緑 | 対応済み・問題なし |
| 保留 | グレー | 一時停止・優先度低 |
同様の手順で、他のステータス値についても条件付き書式を設定していきます。
「進行中」には黄色やオレンジ、「確認待ち」には薄い青、「完了」には緑、「保留」にはグレーなど、意味が直感的に伝わる色を選ぶと効果的です。
すべての設定が完了すると、ステータス列に値を入力するたびに自動的に色が適用されます。
これにより、大量のデータがあっても、どの案件がどの状態にあるかを瞬時に把握できるようになります。
📝 色の選び方のコツ
あまり多くの色を使いすぎないことがポイントです。色が多すぎると逆に見づらくなるため、5色程度に抑えることをお勧めします。
ステップ5|完成テンプレートをダウンロードする
ここまでの手順で基本的なデータ管理表が完成しますが、時間がない方やすぐに使い始めたい方のために、テンプレートを活用する方法もあります。
テンプレートを使えば、項目名の設定やプルダウン、条件付き書式などがあらかじめ設定された状態から始められるため、すぐに業務で活用できます。
エクセルには標準でいくつかのテンプレートが用意されているので、まずはそちらをチェックしてみましょう!
- 「ファイル」メニューから「新規」を選択
- 検索ボックスに「管理」「リスト」などのキーワードを入力
- 関連するテンプレートを選んでダウンロード
エクセルには標準でいくつかのテンプレートが用意されています。
「ファイル」メニューから「新規」を選択すると、さまざまなテンプレートが表示されます。
検索ボックスに「管理」「リスト」などのキーワードを入力すると、関連するテンプレートを見つけることができます。
また、Microsoftの公式サイトでは、より多くのテンプレートが無料で公開されています。
「顧客管理」「プロジェクト管理」「在庫管理」など、用途に応じたテンプレートをダウンロードして活用することができます。
📝 テンプレート使用時の注意点
そのまま使うのではなく、自社の業務に合わせてカスタマイズすることが重要です。不要な項目を削除したり、必要な項目を追加したり、選択肢の内容を変更したりして、実際の業務フローに合った形に調整してください。
テンプレートを使用する際の注意点として、そのまま使うのではなく、自社の業務に合わせてカスタマイズすることが重要です。
不要な項目を削除したり、必要な項目を追加したり、選択肢の内容を変更したりして、実際の業務フローに合った形に調整してください。
ここまでの5ステップを完了すれば、フィルター機能・ステータスの色分け・入力ミス防止機能を備えた実用的なデータ管理表の完成です!
- フィルター機能で絞り込みができる
- ステータスが視覚的にわかりやすい
- 入力ミスを防止できる
ここまでの5つのステップを完了すると、フィルター機能で絞り込みができ、ステータスが視覚的にわかりやすく、入力ミスを防止できる実用的なデータ管理表が完成します。
この基本形をベースに、業務の特性に応じて機能を追加していくことで、より高度なデータ管理が可能になります。
エクセルのデータ管理の入力ミス・表記ゆれを防ぐ実践設定
データ管理表を作成しても、入力されるデータの品質が低ければ意味がありません。
入力ミスや表記ゆれは、検索で必要なデータが見つからない、集計結果が正確でないといった問題を引き起こします。
本章では、データ品質を担保するための具体的な設定方法を解説します。
「後から直せばいいや」と思っていると、気づいた頃には修正が大変なことに…。最初の仕組みづくりが肝心です!
入力ミスには、数値を入力すべき欄に文字を入力してしまう、日付の形式が統一されていない、同じ内容なのに表記が異なるといったケースがあります。
これらの問題は、後から修正しようとすると膨大な手間がかかります。
最初から入力ミスが発生しない仕組みを構築することで、データのクレンジング作業を最小限に抑えることができます。
エクセルには、入力規則、関数による検証、マスタ参照など、データ品質を担保するためのさまざまな機能が用意されています。
これらの機能を組み合わせることで、ヒューマンエラーを大幅に削減し、信頼性の高いデータベースを構築することが可能です。
入力規則で数値・日付のみを強制する
入力規則は、セルに入力できる値の種類や範囲を制限する機能です。
前章でプルダウンリストの設定方法を説明しましたが、入力規則ではそれ以外にも、数値のみ、日付のみ、特定の文字数以内といったさまざまな制限を設定できます。
「数字しか入れられない」「日付しか入れられない」といった制限をかけることで、入力ミスを物理的に防げます!
📝 数値のみを入力させたい場合の設定手順
数値のみを入力させたいセル範囲をドラッグして選択します。
リボンメニューの「データ」タブを開き、「データの入力規則」を選択します。
「設定」タブの「入力値の種類」から目的に合った数値タイプを選びます。
「整数」を選択した場合は小数点以下の値は入力できず、「小数点数」を選択した場合は小数点以下も入力可能です。
さらに「データ」欄で「次の値の間」を選択し、最小値と最大値を設定することで、入力できる数値の範囲を制限することもできます。
たとえば売上金額であれば、最小値を0、最大値を99999999などに設定することで、マイナスの値や異常に大きな値の入力を防ぐことができます。
日付のみを入力させたい場合も同様の手順で設定できます。
「入力値の種類」で「日付」を選択し、必要に応じて「次の値の間」で期間を制限します。
たとえば受注日であれば、過去の日付のみを入力可能にする(最大値を今日の日付にする)といった設定が考えられます。
「無効なデータが入力されたらエラーメッセージを表示する」にチェックを入れ、タイトルとエラーメッセージを設定しておくと、規則に反する値が入力されたときにわかりやすいメッセージが表示されます。
たとえば「入力エラー」「0以上の数値を入力してください」といったメッセージを設定しておくと、入力者が何を間違えたのかすぐに理解できます。
「入力時メッセージ」タブで「半角数字で入力してください」などのヒントを表示させることもできますよ!
COUNTIF関数で重複を自動検出する
データ管理において、意図しない重複データの発生は大きな問題です。
同じ顧客が複数回登録されていたり、同じ案件が重複して入力されていたりすると、集計結果が正確でなくなるだけでなく、二重対応などの業務上のミスにもつながります。
COUNTIF関数を使うことで、重複データを自動的に検出し、視覚的に警告を表示することができます。
COUNTIF関数は、指定した範囲の中で条件に一致するセルの個数をカウントする関数です。
同じ値が2回以上出現する場合、その値は重複していると判断できます。
📝 重複検出の設定手順
重複をチェックしたい列の隣に新しい列を追加し、「重複チェック」などの見出しをつけます。
最初のデータ行に数式を入力します。例:=IF(COUNTIF(A:A,A2)>1,”重複”,””)
テーブル機能を使用している場合は自動的に列全体に適用されます。
- =IF(COUNTIF(A:A,A2)>1,”重複”,””)
- A列全体の中でA2セルと同じ値がいくつあるかをカウント
- 2つ以上ある場合は「重複」と表示
これにより、重複データがある行には「重複」という文字が表示されるようになります。
条件付き書式と組み合わせて、重複行を赤色でハイライトすると、大量データでもすぐに見つけられますよ!
重複が発見された場合の対処方法としては、どちらかのデータを削除する、または両方のデータを確認して正しい情報に統合するといった作業が必要です。
重複の原因を分析し、入力ルールの見直しや入力者への周知を行うことで、今後の重複発生を防ぐことも重要です。
別シートに選択肢マスタを作成する
プルダウンリストの選択肢を設定する際、直接カンマ区切りで入力する方法は手軽ですが、選択肢の追加や変更があった場合にすべてのセルの入力規則を修正する必要があり、手間がかかります。
選択肢を別シートのマスタで一元管理することで、この問題を解決できます。
マスタを1か所変更するだけで、すべてのプルダウンに反映されるので、メンテナンスが劇的に楽になります!
📝 マスタシート作成手順
「マスタ」などのわかりやすい名前をつけます。
A列に「担当者マスタ」、B列に「ステータスマスタ」など、選択肢を縦に並べて入力します。
「元の値」欄にマスタシートのセル範囲を指定します(例:=マスタ!A$2:A$10)。
テーブルを使用している場合は、「=INDIRECT(“マスタ[担当者]”)」のようにテーブル名と列名で参照することもできます。
この設定により、マスタシートに新しい担当者を追加するだけで、すべてのプルダウンリストに自動的に反映されるようになります。
担当者の退職や部署異動があった場合も、マスタを修正するだけで対応できます。
- 「校閲」タブの「シートの保護」で編集を制限
- マスタシートを非表示にして誤編集を防止
マスタシートは、データ管理表の利用者が誤って編集してしまわないように保護しておくことをお勧めします。
「校閲」タブの「シートの保護」機能を使用することで、特定のセル以外の編集を制限することができます。
また、マスタシートを非表示にすることで、一般の利用者からは見えないようにすることも可能です。
担当者、ステータス、商品カテゴリ、取引先区分、拠点名など、選択肢が限られている項目には積極的に活用しましょう!
マスタを使った管理は、担当者やステータス以外にも幅広く応用できます。
データの一貫性を保ち、メンテナンス性を高めるために、積極的に活用することをお勧めします。
エクセルで大量データ管理を効率化する抽出・集計方法
データ管理表に蓄積されるデータ量が増えてくると、必要な情報を探し出すことが困難になってきます。
数百行、数千行のデータの中から特定の条件に合うものだけを抽出したり、カテゴリ別の集計を行ったりする作業は、手作業では膨大な時間がかかります。
本章では、大量データを効率的に扱うための抽出・集計テクニックを解説します。
「目当てのデータを探すだけで何十分もかかる…」そんな悩みを解消する機能を紹介しますね!
エクセルには、フィルター機能、並び替え機能、集計関数、ピボットテーブルなど、大量データを処理するための強力な機能が用意されています。
これらの機能を使いこなすことで、「先月の売上が100万円以上の案件だけを一覧表示する」「担当者別の受注件数と売上合計を集計する」といった作業を瞬時に行うことができます。
データ分析やレポート作成の効率は、これらの機能をどれだけ使いこなせるかによって大きく変わります。
基本的な操作から実務での活用例まで、順を追って説明していきますので、ぜひ実際に手を動かしながら習得してください。
フィルター機能で必要なデータだけ抽出する
フィルター機能は、大量のデータの中から条件に合うデータだけを表示し、それ以外のデータを一時的に非表示にする機能です。
データ自体は削除されないため、フィルターを解除すればすべてのデータが再び表示されます。
元データを傷つけずに絞り込みができるので、安心して使えますよ!
テーブルとして設定したデータ範囲には、自動的にフィルターボタンが表示されています。
通常のセル範囲の場合は、データ範囲内のセルを選択した状態で「データ」タブの「フィルター」ボタンをクリックすることで、フィルター機能を有効にできます。
📝 フィルターの基本的な使い方
フィルターボタン(列見出しの右側にある▼マーク)をクリックすると、その列に含まれる値の一覧が表示されます。
表示したい値にチェックを入れ、表示したくない値のチェックを外して「OK」をクリックすると、選択した値を持つ行だけが表示されます。
たとえば「ステータス」列のフィルターボタンをクリックし、「完了」のチェックを外すと、完了していない案件だけが表示されます。
複数の列に対してフィルターを設定することも可能で、「担当者が田中さん」かつ「ステータスが進行中」といった複合条件での絞り込みができます。
- 「指定の値に等しい」「指定の値より大きい」などの条件設定
- 「指定の値を含む」で部分一致の絞り込み
- 日付列での「今月」「先週」「昨年」など相対的な期間指定
テキストフィルターや数値フィルターを使うと、より高度な条件での絞り込みが可能です。
フィルターボタンをクリックして「テキストフィルター」や「数値フィルター」を選択すると、条件を設定できます。
たとえば売上金額列で「数値フィルター」から「指定の値以上」を選択し、「1000000」と入力すると、売上が100万円以上の案件だけが表示されます。
日付列では「今月」「先週」といった相対的な期間指定ができるので、月次レポート作成時にとても便利です!
フィルターを解除するには、フィルターボタンをクリックして「フィルターのクリア」を選択するか、「データ」タブの「クリア」ボタンをクリックします。
すべてのフィルターを一度に解除したい場合は、「データ」タブの「クリア」ボタンが便利です。
並び替え機能でデータを素早く整理する
並び替え機能は、指定した列の値を基準にしてデータの順序を変更する機能です。
日付順、金額の大きい順、五十音順など、さまざまな基準でデータを並び替えることで、目的のデータを見つけやすくなります。
📝 基本的な並び替え操作
並び替えの基準にしたい列内のセルを選択し、「データ」タブの「昇順」ボタン(A→Z)または「降順」ボタン(Z→A)をクリックするだけです。
昇順は小さい値から大きい値へ、降順は大きい値から小さい値への並び替えとなります。
ボタン1つで並び替えができるので、覚えておくと作業効率がグッと上がりますよ!
| データの種類 | 昇順 | 降順 |
|---|---|---|
| テキスト | 五十音順(アイウエオ順) | 五十音の逆順 |
| 日付 | 古い日付→新しい日付 | 新しい日付→古い日付 |
| 数値 | 小さい数値→大きい数値 | 大きい数値→小さい数値 |
複数の条件で並び替えを行いたい場合は、「データ」タブの「並べ替え」ボタンをクリックして「並べ替え」ダイアログボックスを開きます。
ここで「レベルの追加」をクリックすることで、第1優先キー、第2優先キーといった複数の並び替え条件を設定できます。
- 第1優先キー:「担当者」を昇順(五十音順)
- 第2優先キー:「売上金額」を降順(大きい順)
→同じ担当者の中で売上金額が大きい順に並びます
たとえば「まず担当者で並び替え、同じ担当者の中では売上金額の大きい順に並び替える」という設定が可能です。
第1優先キーに「担当者」を昇順で、第2優先キーに「売上金額」を降順で設定すれば、この並び替えが実現できます。
ID列を作っておけば、いつでも元の順序に戻せるので安心ですね!
また、並び替えを行う前に、データ範囲が正しく認識されているか確認することも重要です。
空白行や空白列があると、その部分でデータ範囲が分断されてしまい、一部のデータだけが並び替えられてしまうことがあります。
テーブル機能を使用していれば、このような問題は発生しにくくなります。
ピボットテーブルで大量データを瞬時に分析する
ピボットテーブルは、大量のデータを多角的に集計・分析するためのエクセルの強力な機能です。
関数を使わずにドラッグ操作だけで、クロス集計表やサマリーレポートを作成することができます。
難しそうに見えますが、実は操作はとてもシンプル。一度覚えると手放せなくなりますよ!
集計元となるデータ範囲内の任意のセルを選択します。
「挿入」タブの「ピボットテーブル」ボタンをクリックします。
「ピボットテーブルの作成」ダイアログボックスで、データ範囲が正しく選択されていることを確認し、配置場所(新規ワークシートまたは既存のワークシート)を選択して「OK」をクリックします。
右側に表示される「ピボットテーブルのフィールド」パネルから、フィールドを4つのエリア(フィルター、列、行、値)にドラッグして集計表の構造を定義します。
- 「担当者」フィールド → 「行」エリアにドラッグ
- 「受注日」フィールド → 「列」エリアにドラッグ
- 「売上金額」フィールド → 「値」エリアにドラッグ
たとえば「担当者別・月別の売上集計表」を作成する場合、上記のようにフィールドを配置します。
すると、行方向に担当者名、列方向に月、交差するセルに各担当者の各月の売上合計が表示されます。
ドラッグするだけでクロス集計表が完成するなんて、本当に便利ですよね!
「値」エリアに配置したフィールドは、デフォルトでは合計が計算されますが、件数、平均、最大値、最小値などに変更することもできます。
値フィールドを右クリックして「値フィールドの設定」を選択すると、計算方法を変更できます。
| 計算方法 | 用途 |
|---|---|
| 合計 | 売上金額の合計など |
| データの個数 | 受注件数のカウントなど |
| 平均 | 平均単価の算出など |
| 最大値・最小値 | 最高売上・最低売上の把握など |
ピボットテーブルの大きな利点は、分析の視点を簡単に切り替えられることです。
フィールドの配置を変更するだけで、「商品カテゴリ別の売上」「月別の受注件数推移」「顧客別・商品別のクロス集計」など、さまざまな角度からデータを分析できます。
元データを変更する必要がなく、同じデータからさまざまなレポートを作成できるため、レポート作成業務の効率が大幅に向上します。
📝 スライサー機能で視覚的にフィルタリング
ピボットテーブルには「スライサー」という機能もあり、視覚的なフィルタリングが可能です。
「ピボットテーブル分析」タブから「スライサーの挿入」を選択し、フィルタリングに使用するフィールドを選択すると、ボタン形式のフィルターが表示されます。
ボタンをクリックするだけで、特定の担当者や商品に絞り込んだ集計結果を表示できます。
スライサーを使えば、プレゼンや会議中にリアルタイムでデータを切り替えて見せることもできますよ!
マクロと関数でエクセルのデータ管理を自動化する方法
データ管理業務では、毎日・毎週・毎月といった頻度で同じ作業を繰り返すことが少なくありません。
データのコピーと貼り付け、特定の形式への変換、レポートの作成といった定型作業に多くの時間を費やしている方も多いのではないでしょうか。
本章では、マクロと関数を活用してこれらの繰り返し作業を自動化する方法を解説します。
「毎回同じ作業に時間を取られている…」という方は、ぜひ自動化にチャレンジしてみてください!
- 作業時間の大幅な短縮
- 手作業によるミスの防止
- 作業品質の均一化
- 特定担当者への依存解消
自動化のメリットは、作業時間の短縮だけではありません。
手作業によるミスを防ぎ、作業品質を一定に保つことができます。
また、誰が作業しても同じ結果が得られるため、特定の担当者への依存を解消することにもつながります。
この機能を使えば、プログラミング未経験者でもマクロを活用することが可能です。
また、関数を組み合わせることで、マクロを使わずに自動化できる処理も多くあります。
マクロの記録機能で繰り返し作業を自動化する
マクロとは、エクセルの操作を自動実行するためのプログラムのことです。
VBA(Visual Basic for Applications)というプログラミング言語で記述されますが、「マクロの記録」機能を使えば、実際にエクセルを操作するだけで自動的にマクロが作成されます。
つまり、コードを書かなくてもマクロが作れるということですね!
📝 事前準備:「開発」タブの表示
マクロの記録機能を使用する前に、まず「開発」タブを表示させる必要があります。
「ファイル」メニューから「オプション」を選択し、「リボンのユーザー設定」で「開発」にチェックを入れて「OK」をクリックします。
これで「開発」タブがリボンに表示されるようになります。
マクロを記録する手順を説明します。
「開発」タブの「マクロの記録」ボタンをクリックします。
「マクロの記録」ダイアログボックスが表示されたら、マクロ名を入力します。
マクロ名は日本語でも構いませんが、スペースは使用できません。
「月次レポート作成」「データ整形処理」のようにわかりやすい名前をつけましょう。
「OK」をクリックすると、記録が開始されます。
この状態で行うすべての操作がマクロとして記録されます。
たとえば「A列を選択してコピーし、新しいシートに貼り付け、列幅を調整する」といった一連の操作を実際に行います。
操作が完了したら、「開発」タブの「記録終了」ボタンをクリックして記録を終了します。
記録したマクロを実行するには、「開発」タブの「マクロ」ボタンをクリックし、実行したいマクロを選択して「実行」をクリックします。
記録した操作が自動的に再現されます。
「Excel マクロ有効ブック(.xlsm)」形式で保存する必要があります。
「ファイル」メニューから「名前を付けて保存」を選択し、ファイルの種類で「Excel マクロ有効ブック」を選択して保存してください。
「.xlsx」で保存すると、せっかく作ったマクロが消えてしまうので要注意です!
マクロの記録機能で作成したマクロは、「開発」タブの「Visual Basic」ボタンをクリックすることで、VBAのコードとして確認・編集することができます。
プログラミングの知識があれば、記録したマクロをベースに機能を追加したり、条件分岐を加えたりといったカスタマイズが可能です。
実務で使える自動化マクロ3選
マクロの記録機能で基本を理解したら、実務でよく使用される自動化マクロのサンプルを見てみましょう。
以下に紹介するマクロは、VBAエディタに直接コードを入力することで使用できます。
コードをコピーして「開発」タブの「Visual Basic」から開くエディタに貼り付けることで、すぐに活用できます。
コピー&ペーストで使えるので、プログラミング初心者でも安心ですね!
📝 マクロ①:空白行を一括削除するマクロ
データをインポートした際や、データを削除した後に残った空白行を自動的に削除します。
大量の空白行を手作業で削除するのは時間がかかりますが、このマクロを使えば瞬時に処理できます。
- データ範囲内の各行をチェック
- すべてのセルが空白である行を削除
- 下の行から上の行に向かって処理
📝 マクロ②:データを別シートに転記するマクロ
入力シートに入力されたデータを、蓄積用のシートに自動的に追加していく処理を自動化します。
毎日の売上データを月次の集計シートに転記するといった作業に活用できます。
最終行を自動的に検出することで、既存のデータを上書きすることなく、常に新しいデータを追加していくことができます。
毎日の入力作業がワンクリックで完了するのは嬉しいですね!
📝 マクロ③:条件に応じてセルの書式を変更するマクロ
条件付き書式でも同様のことができますが、より複雑な条件や、条件付き書式では対応できない書式変更が必要な場合にマクロが活用できます。
- 指定した列の各セルの値をチェック
- 条件に応じてフォント色・背景色・太字などを設定
- 複数条件の組み合わせにも柔軟に対応
複数の条件を組み合わせた複雑な書式設定も、マクロであれば柔軟に対応できます。
マクロを実行する前に、念のためファイルをコピーしておくと安心ですよ!
自動化に役立つ関数の組み合わせ例
マクロを使わなくても、関数の組み合わせで多くの処理を自動化することができます。
関数による自動化は、マクロと比べて設定が簡単で、ファイル形式の制約もありません。
ここでは、実務で役立つ関数の組み合わせ例を紹介します。
関数なら「.xlsx」形式のまま保存できるので、共有もしやすいですね!
📝 組み合わせ①:IF関数×VLOOKUP関数で自動判定
売上金額に応じてランクを自動的に判定し、さらにそのランクに応じた割引率を別テーブルから取得するといった処理が可能です。
具体的な数式例として、売上金額が入力されているセルがA2、ランク判定の基準表がE列とF列にある場合、以下のような数式でランクを自動取得できます。
=VLOOKUP(A2,E$2:F$5,2,TRUE)
📝 組み合わせ②:INDEX関数×MATCH関数で柔軟な検索
VLOOKUP関数は検索列が左端にある必要がありますが、INDEX関数とMATCH関数を組み合わせることで、この制約を解消できます。
数式の基本形は以下のとおりです。
=INDEX(取得したい列の範囲, MATCH(検索値, 検索する列の範囲, 0))
MATCH関数で検索値が何行目にあるかを取得し、その行番号をINDEX関数に渡して値を取得するという仕組みです。
この組み合わせをマスターすると、データ検索の幅が大きく広がります。
INDEX×MATCHは最初は難しく感じますが、覚えると手放せなくなりますよ!
📝 組み合わせ③:TEXT関数×CONCATENATE関数で自動文書生成
日付や金額を含む定型文を自動生成する際に活用できます。
CONCATENATE関数の代わりに&演算子を使用することも可能です。
たとえば「〇〇年〇〇月〇〇日付けで、金額〇〇円のご請求となります。」という文章を自動生成する場合、以下のような数式で実現できます。
=TEXT(A2,”yyyy年m月d日”)&”付けで、金額”&TEXT(B2,”#,##0″)&”円のご請求となります。”
TEXT関数を使うことで、日付や数値を任意の形式に変換して文字列に組み込むことができます。
請求書や案内文の作成が一瞬で終わるようになりますね!
📝 組み合わせ④:IFERROR関数でエラー処理を自動化
VLOOKUP関数やINDEX/MATCH関数で検索値が見つからない場合、通常は「#N/A」エラーが表示されます。
IFERROR関数で数式を囲むことで、エラー時に代替の値やメッセージを表示させることができます。
数式の形は以下のとおりです。
=IFERROR(元の数式, エラー時の値)
たとえば以下のように記述することで、検索値がマスタに存在しない場合は「未登録」と表示されます。
=IFERROR(VLOOKUP(A2,マスタ!A:B,2,FALSE),”未登録”)
これにより、エラー表示による見づらさを解消し、データの状態を明確に伝えることができます。
- データ更新のたびに自動再計算
- 実行操作が不要でシームレス
- ファイル形式の制約がない
これらの関数の組み合わせは、一度設定すればデータが更新されるたびに自動的に再計算されます。
マクロと異なり実行操作も不要なため、よりシームレスな自動化が実現できます。
関数とマクロを使い分けることで、効率的な自動化が実現できますよ!
エクセルのデータ管理の限界と次のステップ
エクセルは非常に優れたデータ管理ツールですが、すべての状況に万能というわけではありません。
データ量の増加、同時編集の必要性、業務の複雑化などにより、エクセルでの管理に限界を感じる場面が出てくることがあります。
本章では、エクセルでの管理が適しているケースと限界を示すサイン、そしてエクセルからの移行先となるツールの選択肢について解説します。
「なんとなく使いにくくなってきた」「トラブルが増えてきた」と感じながらも、具体的な判断基準がわからずにエクセルを使い続けているケースは少なくありません
適切なタイミングでツールの見直しを行うことで、業務効率の大幅な改善が期待できます。
一方で、エクセルで十分に対応できる業務に過度なツールを導入することは、コストや学習負荷の面でデメリットとなります。
自社の状況を客観的に分析し、エクセルを継続するか別ツールに移行するかを適切に判断するための材料を提供します。
エクセルでの管理が向いている3つのケース
エクセルは多くのビジネスシーンで活用されており、適切な使い方をすれば非常に効果的なツールです。
以下の3つのケースに該当する場合は、エクセルでのデータ管理を継続することが合理的な選択といえます。
- データ量が少なく更新頻度が低い
- 利用者が少人数で同時編集の必要がない
- 柔軟なデータ加工・分析が頻繁に必要
📝 ケース1:データ量が少なく更新頻度が低い
具体的には、データ行数が数千行程度で、更新が週に数回程度の場合が該当します。
このような状況では、エクセルの処理速度も十分に快適で、ファイルサイズも問題になりません。
顧客数が100社程度の取引先管理や、月に数十件程度の案件管理などがこれに当てはまります。
📝 ケース2:利用者が少人数で同時編集の必要がない
エクセルは基本的に1人での利用を前提として設計されており、個人の業務管理やデータ分析には最適なツールです。
経理担当者が1人で管理する経費データ、営業担当者が個人で管理する商談リストなど、特定の担当者が責任を持って管理するデータに向いています。
📝 ケース3:柔軟なデータ加工・分析が頻繁に必要
エクセルの最大の強みは、関数やピボットテーブルを使った柔軟なデータ分析機能にあります。
さまざまな切り口でデータを集計したり、グラフを作成したり、シミュレーションを行ったりする作業は、エクセルが最も得意とする領域です。
データベースツールでは実現が難しい、アドホックな分析作業が多い場合は、エクセルを活用する価値が高いといえます。
これら3つの条件を満たしている場合は、無理に別のツールに移行する必要はありません!
本記事で紹介したテーブル機能、入力規則、関数などを活用することで、エクセルでも十分に効率的なデータ管理が可能です。
「そろそろ限界」を示す5つのサイン
一方で、以下のようなサインが現れている場合は、エクセルでの管理に限界が近づいていると考えられます。
| サイン | 具体的な症状 |
|---|---|
| ①動作が重い | ファイルを開くのに数十秒以上、スクロールがカクカクする |
| ②同時編集トラブル | 「ファイルが使用中」、上書きでデータが消える |
| ③入力ミス頻発 | 表記ゆれが後を絶たない、検索してもヒットしない |
| ④履歴管理の必要 | 誰がいつ変更したか追跡が必要になった |
| ⑤他システム連携 | 基幹システムとのデータ連携が必要になった |
📝 サイン1:ファイルを開くのに時間がかかる・動作が重い
データ量の増加や複雑な数式の増加により、エクセルのパフォーマンスは徐々に低下していきます。
ファイルを開くのに数十秒以上かかる、スクロールがカクカクする、数式の再計算に時間がかかるといった症状が現れたら要注意です。
一般的に、データ行数が1万行を超えると動作に影響が出始め、5万行を超えると明らかに遅くなるケースが多いです。
また、VLOOKUP関数やINDEX/MATCH関数を大量に使用している場合も、計算負荷が高くなりパフォーマンスが低下します。
📝 サイン2:複数人での同時編集でトラブルが頻発
「ファイルが使用中で開けない」「上書き保存したら他の人の編集内容が消えた」「どのバージョンが最新かわからなくなった」といった問題が発生している場合は、共同編集の限界に達しています。
エクセルの共有ブック機能やOneDriveでの共同編集機能である程度は対応できますが、リアルタイムで複数人が頻繁に編集する用途には根本的に向いていません。
編集者が3人以上、または更新頻度が1日に何度もあるような場合は、専用のデータベースツールを検討すべきです。
📝 サイン3:入力ミスや表記ゆれが後を絶たない
入力規則やプルダウンリストを設定しても、それを回避して入力されてしまったり、ルールが周知されずに表記ゆれが発生し続けたりする場合は、エクセルの入力制御機能では不十分な可能性があります。
より厳格な入力制御が必要な場合は、入力フォームを持つデータベースツールや、ワークフローシステムの導入を検討する価値があります。
これらのツールでは、必須項目のチェックや入力形式の検証をより確実に行うことができます。
📝 サイン4:データの履歴管理や監査証跡が必要になった
エクセルでは「いつ」「誰が」「どのデータを」変更したかを追跡することが困難です。
業務上、変更履歴の保持が必要になった場合や、内部統制の観点から監査証跡が求められる場合は、エクセルでは対応が難しくなります。
バージョン履歴機能である程度は対応できますが、セル単位での変更履歴を長期間保持することはできません。
コンプライアンス要件が厳しい業務では、監査証跡機能を持つ専用システムへの移行が必要です。
📝 サイン5:他システムとの連携が必要になった
エクセルのデータを基幹システムに取り込みたい、Webサイトからの問い合わせデータを自動で管理表に追加したいといった要望が出てきた場合、エクセル単体では対応が難しくなります。
API連携やデータの自動同期が必要な場合は、それらの機能を備えたクラウドサービスやデータベースツールへの移行を検討すべきです。
これらのサインが複数当てはまる場合は、早めにツールの見直しを検討しましょう
エクセル卒業後の選択肢となるツール
エクセルからの移行先として、業務の特性や予算に応じていくつかの選択肢があります。
代表的なツールの特徴と選び方のポイントを紹介します。
| ツール名 | 特徴 | 向いているケース |
|---|---|---|
| スーツアップ | AIでタスク管理可能、エクセル似の操作性 | 中小チームが一元管理を目指す |
| スプレッドシート | エクセル似の操作性、リアルタイム共同編集 | 同時編集の問題を解決したい |
| kintone | ノーコードでアプリ作成、ワークフロー機能 | 入力管理やワークフローを強化したい |
| Notion | データベース+ドキュメント一体型 | 情報の一元管理を目指す |
スーツアップ
チームのタスク管理が手軽にできて、操作や運用も簡単なツールを探しているなら経営支援クラウド「スーツアップ」がおすすめです。
スーツアップとは表計算ソフトのような直感的な操作が可能なツールで、PCスキルに自信がない方でも気軽に使える親切な設計になっています。
さらに、タスクひな型、期限通知及び定型タスクなどプロジェクトやタスクの管理に役立つ機能が揃っているので、更新スケジュールの管理や作業の進捗状況の確認もスムーズに行えます。
チャットツールやオンライン会議を使った相談に対応しているほか、対面でのコンサルを受けられるなど、サポート体制が充実しているのもポイント。
スーツアップは、表計算ソフトのような親しみやすい操作感で、パソコンが苦手な人でも直感的に使えるのが魅力。チームでのタスク管理や外部ツールとの連携に長けており、幅広く活用できるでしょう。
- エクセル感覚で操作!
スーツアップは、エクセルのような感覚で操作できますが、期限通知や定型タスクの自動生成など、エクセルにはない便利な機能が充実。日々のタスク更新もストレスがありません。
- 業務の「見える化」でミスゼロへ
チームのタスクや担当、期限などを表で一元管理。全員が進捗を把握できるから、抜け漏れや期限遅れがなくなり、オペレーションの質もアップします。
- テンプレートでプロジェクト管理が楽
よくある業務はタスクひな型として自動生成できるので、毎回ゼロから作る手間なし。誰でもすぐに運用を始められるのがスーツアップの強みです。
「かんたん、毎日続けられる」をコンセプトに、やさしいテクノロジーでチームをサポートする「スーツアップ」。
ますは無料お試しでツールを体験してみませんか?
スプレッドシート
最も移行しやすい選択肢がスプレッドシートです。
エクセルと操作性が似ており、学習コストが低いことが最大のメリットです。
クラウドベースのため複数人での同時編集が可能で、自動保存機能により「保存し忘れ」の心配もありません。
エクセルの「同時編集できない」という課題を解決したい場合に最適な選択肢です。
既存のエクセルファイルをそのままインポートできるため、移行の手間も最小限で済みます。
ただし、大量データの処理速度はエクセルより劣る場合があり、オフラインでの作業にも制約があります。
kintone(キントーン)
より本格的なデータ管理を行いたい場合は、kintone(キントーン)のようなノーコードデータベースツールが選択肢となります。
kintoneはサイボウズ社が提供するクラウドサービスで、プログラミング知識なしでビジネスアプリケーションを作成できます。
入力フォームの作成、アクセス権限の管理、ワークフロー機能、変更履歴の自動記録など、エクセルでは実現が難しい機能を備えていることが特徴です。
データベースとしての信頼性が高く、数万件のデータでも快適に動作します。
ただし、月額費用が発生すること、エクセルのような柔軟な計算やグラフ作成には向いていないことがデメリットです。
Notion(ノーション)
Notion(ノーション)は、データベース機能とドキュメント管理機能を併せ持つオールインワンツールです。
テーブル形式でのデータ管理に加え、カンバンボード形式やカレンダー形式など、さまざまなビューでデータを表示できます。
データ管理だけでなく、プロジェクトの情報共有やドキュメント作成も一元化したい場合に適しています。
無料プランでも十分な機能が使えるため、小規模チームでの導入障壁が低いことも魅力です。
ただし、大量データの処理や複雑な計算には向いておらず、オフラインでの使用にも制約があります。
いきなり全面移行するのではなく、まずは一部の業務で試験的に導入し、効果を検証してから本格移行するアプローチがおすすめです
エクセルと併用しながら徐々に移行を進めることで、リスクを最小限に抑えることができます。
エクセルのデータ管理のよくある質問(FAQ)
エクセルでデータ管理を行う中で、多くの方が同じような疑問や問題に直面します。
本章では、記事本文で解消しきれなかった疑問や、実務で特に質問が多い項目についてQ&A形式で回答します。
これらの回答を参考に、日々の業務で発生する問題を素早く解決してください。
「行数の限界」「共同編集」「データ復元」など、現場で本当に困るポイントを厳選しました!
Q1. エクセルで管理できる最大行数は?
A: Excel 2007以降は最大1,048,576行、16,384列まで対応しています。ただし、実務では数万行を超えると動作が遅くなる傾向があります。
エクセルのワークシートで扱える最大行数は、Excel 2007以降のバージョンで1,048,576行、最大列数は16,384列(XFD列)となっています。
この仕様上の上限は、Microsoft公式のドキュメントで明記されています。
古いバージョンであるExcel 2003以前では、最大行数が65,536行、最大列数が256列(IV列)に制限されていました。
仕様上は100万行以上扱えますが、実際にそこまで入れると動作がかなり重くなります…!
実際には、数万行を超えるあたりからファイルサイズが大きくなり、動作が遅くなる傾向があります。
| データの種類 | 快適に操作できる目安 |
|---|---|
| 単純なデータのみ | 10万行程度 |
| 複雑な数式・ピボットテーブル使用 | 1万〜5万行程度 |
また、Power Queryを使用してデータを外部ファイルから読み込む方法も、大量データを扱う際には有効です。
データ量が継続的に増える見込みがあるなら、早めにデータベースツールへの移行を検討しましょう。問題が深刻化してからでは対応が大変です!
Q2. 複数人で同時編集するには?
A: 主に3つの方法があります。OneDrive/SharePointでの共同編集、従来の共有ブック機能、ファイル分割後の統合です。業務特性に応じて選択しましょう。
エクセルで複数人が同時に編集する方法には、主に3つの選択肢があります。
それぞれにメリットとデメリットがあるため、業務の特性に応じて適切な方法を選択してください。
📝 方法①:OneDrive・SharePointでの共同編集
Microsoft 365(旧Office 365)の環境であれば、クラウド上に保存したエクセルファイルを複数人で同時に編集することが可能です。
各ユーザーの編集内容はリアルタイムで反映され、誰がどのセルを編集しているかも表示されます。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 通常のエクセルファイルをそのまま使用可能 | Microsoft 365のライセンスが必要 |
| 自動保存で保存忘れを防止 | インターネット接続が必須 |
| リアルタイムで編集状況を確認 | 同じセルの同時編集で競合の可能性 |
Microsoft 365を導入している企業なら、この方法が最もおすすめです!
📝 方法②:従来の「共有ブック」機能
「校閲」タブの「ブックの共有」から設定できますが、この機能はMicrosoftにより非推奨とされています。
新しいバージョンのエクセルでは既定で無効になっており、テーブル機能や一部の新機能が使用できなくなるという制約もあります。
📝 方法③:ファイル分割後に統合
リアルタイムでの共同編集が必須でない場合は、この方法がシンプルで確実です。
たとえば、担当者別にファイルを分け、週に1回集約担当者がデータを統合するといった運用が考えられます。
Power Queryを使用すれば、複数ファイルのデータを自動的に統合することも可能です。
どの方法を選んでも、編集ルールを事前に決めておくことがトラブル防止の鍵です!
Q2. 複数人で同時編集するには?
A: 主に3つの方法があります。OneDrive/SharePointでの共同編集、従来の共有ブック機能、ファイル分割後の統合です。業務特性に応じて選択しましょう。
エクセルで複数人が同時に編集する方法には、主に3つの選択肢があります。
それぞれにメリットとデメリットがあるため、業務の特性に応じて適切な方法を選択してください。
📝 方法①:OneDrive・SharePointでの共同編集
Microsoft 365(旧Office 365)の環境であれば、クラウド上に保存したエクセルファイルを複数人で同時に編集することが可能です。
各ユーザーの編集内容はリアルタイムで反映され、誰がどのセルを編集しているかも表示されます。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 通常のエクセルファイルをそのまま使用可能 | Microsoft 365のライセンスが必要 |
| 自動保存で保存忘れを防止 | インターネット接続が必須 |
| リアルタイムで編集状況を確認 | 同じセルの同時編集で競合の可能性 |
Microsoft 365を導入している企業なら、この方法が最もおすすめです!
📝 方法②:従来の「共有ブック」機能
「校閲」タブの「ブックの共有」から設定できますが、この機能はMicrosoftにより非推奨とされています。
新しいバージョンのエクセルでは既定で無効になっており、テーブル機能や一部の新機能が使用できなくなるという制約もあります。
📝 方法③:ファイル分割後に統合
リアルタイムでの共同編集が必須でない場合は、この方法がシンプルで確実です。
たとえば、担当者別にファイルを分け、週に1回集約担当者がデータを統合するといった運用が考えられます。
Power Queryを使用すれば、複数ファイルのデータを自動的に統合することも可能です。
Q3. データが消えたときの復元方法は?
A: 状況に応じて複数の復元方法があります。「Ctrl+Z」での取り消し、バージョン履歴、自動回復ファイル、Windowsの以前のバージョン機能を順番に試してください。
エクセルでデータが消えてしまった場合、状況に応じていくつかの復元方法があります。
まずは落ち着いて、以下の方法を順番に試してみてください。
焦らず一つずつ確認していきましょう。意外と復元できるケースは多いです!
📝 方法①:「元に戻す」機能(Ctrl + Z)
最も簡単なのは、「元に戻す」機能を使用する方法です。
誤って削除や上書きをしてしまった直後であれば、キーボードの「Ctrl + Z」を押すことで操作を取り消すことができます。
この操作は複数回実行でき、さかのぼって複数の操作を取り消すことが可能です。
📝 方法②:バージョン履歴を確認
ファイルを保存して閉じてしまった場合は、バージョン履歴を確認します。
OneDriveやSharePointに保存しているファイルであれば、過去のバージョンを復元することができます。
ファイルを右クリックして「バージョン履歴」を選択すると、過去に保存されたバージョンの一覧が表示されます。
復元したいバージョンを選択して「復元」をクリックすれば、その時点の状態に戻すことができます。
📝 方法③:自動回復ファイルを確認
ローカル保存のファイルの場合でも、自動回復機能によって一時ファイルが保存されている可能性があります。
「ファイル」メニューから「情報」を選択し、「ブックの管理」セクションに自動保存されたバージョンが表示されていないか確認してください。
また、エクセルを開いた際に「ドキュメントの回復」パネルが表示される場合もあります。
📝 方法④:Windowsの「以前のバージョン」機能
これらの方法でも復元できない場合は、Windowsの「以前のバージョン」機能を試す方法があります。
ファイルが保存されているフォルダを右クリックし、「以前のバージョンの復元」を選択すると、システムの復元ポイントに基づいて過去の状態を復元できる場合があります。
Q4. テーブル機能のデメリットは?
A: セルの結合ができない、構造化参照による数式の書き方が異なる、古いバージョンとの互換性に注意が必要といった制約があります。ただし、データ管理においてはメリットがデメリットを大きく上回ります。
テーブル機能は多くのメリットがありますが、導入前に知っておくべき制約や注意点もあります。
これらを理解した上で、業務に適しているかどうかを判断してください。
📝 注意点①:セルの結合ができない
テーブル内ではセルを結合することができません。
見出しや小計行でセルを結合したいレイアウトを想定している場合は、テーブル機能との相性が悪い可能性があります。
ただし、データベースの観点からはセルの結合は推奨されないため、これはむしろ正しいデータ構造を促す制約ともいえます。
📝 注意点②:行挿入時の挙動
テーブル内に新しい行を挿入すると、自動的にテーブル範囲が拡張され、書式やドロップダウンリストの設定が引き継がれます。
これは通常は便利な機能ですが、意図しない書式が適用されてしまう場合もあります。
📝 注意点③:構造化参照による数式の違い
テーブルを使用すると、数式内で「=SUM(テーブル1[売上])」のような構造化参照が使用されます。
この書き方は可読性が高いというメリットがありますが、従来のセル参照に慣れている人には違和感があるかもしれません。
また、テーブルを解除すると数式がセル参照に変換されるため、テーブルの有無で数式の表記が変わることにも注意が必要です。
📝 注意点④:他のブックやシステムとの互換性
テーブル機能は比較的新しい機能であるため、古いバージョンのエクセルや他のスプレッドシートソフトでは正しく表示されない場合があります。
ファイルを外部と共有する際は、互換性を確認しておく必要があります。
- 範囲の自動拡張で管理が楽になる
- 構造化参照で数式の可読性が向上する
- フィルターや並び替えが簡単に使える
デメリットを理解した上で、データベース的な用途ではテーブル機能の使用を強くおすすめします!
Q5. スマホからエクセルデータを編集できる?
A: はい、可能です。iPhone・Android向けのMicrosoft Excelモバイルアプリを使えば、外出先でもデータの確認・編集ができます。ただし、パソコン版と比べて機能制限があります。
スマートフォンからエクセルのデータを確認・編集することは可能です。
外出先や移動中にデータを確認したい、緊急の修正を行いたいといったニーズに対応できます。
急ぎの確認や修正が必要なとき、スマホから対応できると本当に便利ですよね!
iPhoneおよびAndroidスマートフォン向けに、Microsoft Excelのモバイルアプリが無料で提供されています。
App StoreまたはGoogle Playからアプリをダウンロードし、Microsoftアカウントでサインインすることで利用できます。
基本的な編集機能は無料で使用でき、Microsoft 365のサブスクリプションがあればより高度な機能も利用可能です。
- セルへのデータ入力・編集
- 書式の変更
- フィルターや並び替え
- 簡単な関数の入力
- グラフの確認
クラウドストレージ(OneDrive、SharePoint、Dropboxなど)に保存されているファイルであれば、スマートフォンから直接開いて編集し、変更を保存することができます。
| 項目 | モバイルアプリの対応状況 |
|---|---|
| 大量データの一覧確認 | 画面サイズの制約で不向き |
| 複雑な数式の編集 | 機能制限あり |
| ピボットテーブルの作成 | 非対応または制限あり |
| マクロの実行 | 非対応 |
本格的なデータ編集や分析作業はパソコンで行い、モバイルは補助的に使用するという使い分けがおすすめです!
モバイルでの利用を想定する場合は、OneDriveなどのクラウドストレージにファイルを保存しておく必要があります。
セキュリティの観点から、機密性の高いデータをモバイルで扱う際は、会社のセキュリティポリシーを確認することも忘れないでください。
便利な反面、情報漏洩のリスクもあるので、会社のルールに従って利用しましょう!
まとめ|エクセルのデータ管理を今日から実践する3つのアクション
本記事で紹介したテクニックは、エクセルでのデータ管理を効率化するための基本的な手法です。
これらをベースに、業務の特性に応じた応用や工夫を重ねることで、さらに効果的なデータ管理が実現できます。
データ量の増加やチームの拡大など、状況の変化に応じてツールの見直しを行うことも忘れないでくださいね!
本記事で紹介した「限界を示す5つのサイン」を参考に、エクセルでの管理が適切かどうかを定期的に評価することをお勧めします。
小さな改善の積み重ねが、やがて大きな業務効率化につながることを実感していただけるはずです。


株式会社スーツ 代表取締役社長CEO
2013年3月に、新卒で入社したソーシャル・エコロジー・プロジェクト株式会社(現社名:伊豆シャボテンリゾート株式会社、東証スタンダード上場企業)の代表取締役社長に就任。同社グループを7年ぶりの黒字化に導く。2014年12月に株式会社スーツ設立と同時に代表取締役に就任。2016年4月より総務省地域力創造アドバイザー及び内閣官房地域活性化伝道師。2019年6月より国土交通省PPPサポーター。2020年10月にYouTuber事務所の株式会社VAZの代表取締役社長に就任。月次黒字化を実現し、2022年1月に上場企業の子会社化を実現。2022年12月にスーツ社を新設分割し同社を商号変更、新たに株式会社スーツ設立と同時に代表取締役社長CEOに就任。
現在、スーツ社では、チームのタスク管理ツール「スーツアップ」の開発・運営を行い、中小企業から大企業のチームまで、日本社会全体の労働生産性の向上を目指している。